株をやるなら知っておきたい!投資の基本《分散投資》

株をやるなら、株の銘柄や手数料、株主優待の内容などを知っておけば十分だと思っていませんか。株価だけ毎日がんがんチェックして「自分は株について詳しくなっている」と納得していませんか。株には株の値動きなどによるリスクがありますが、リスクは本当にそれだけでしょうか?

株に投資するリスクをできるだけおさえて楽しい株投資をするために、投資の基本中の基本である「分散投資」について知っておきましょう。株に投資する上でも知っておきたい、リスクを軽減するための基礎知識です。

株価を見て良い株にどんどん投資!実はそこに大きな落とし穴が・・・

株に興味を持つと、どんどんその株の情報を仕入れたくなります。さらに、気になった株は今までどんな値動きをしていたのか、会社の業績はどうなっているのかをチェックしたくなることでしょう。そして、今が買い時なのかどうか、株価は今後上がるのか、どのくらいの株価で買い注文を出せばお得なのかを考えるようになります。つまり、株にはまると、株の金額面や損得のことに非常に目が行くのです。

株の美味さの1つは、やはり株価を利用した売買で利益を出すことです。この株の売買に魅力を感じて株に手を出す人はたくさんいます。株をはじめた人の中には「株主優待が目当てです」という人もいます。しかし株主優待が目当てでも、株価が大きく動いて「今売れば物凄くお得」な現実を目にしたら、やはり心がぐらぐらと揺れることでしょう。仕方のないことです。お金は大事。株という投資法に目をつけた方なら、なおさらのことでしょう。だからこそ、株をはじめた直後は、特に「株価」などのダイレクトに損得がわかる知識を優先しがちです。

株価が上がると、「やったー!」という気持ちになりますよね。株に投資する醍醐味はまさにコレという感じです。しかし、株価は時に予想外の動きをすることがあります。お金の世界では、思わぬニュースで株価が動いてしまうことも珍しくないのです。株価が上がって「やった!」と思うことと同じくらい、株価が下がって「がっかり」のある世界です。

株を楽しむためには、株価が下がった時などに生きるリスク対処法についても知っておきたいもの。そう、今回のテーマである「分散投資」こそが、株価が下がるなどの株リスクを軽減するために有効な方法の1つなのです!

分散投資は「分散」することによって「投資」のリスクを軽減する方法

分散投資とは、分散することにより投資のリスクを軽減する方法です。株だけでなく、債券や不動産、投資信託などでも基礎となる、資産運用の大切な基礎知識です。

たとえば、卵を10個持っていたとします。この10個が資産運用で動かせる全財産だと思ってください。

10個の卵を1つのバスケットに入れておくと、バスケットがうっかりミスやアクシデントで転がり落ちてしまった場合に、中の卵(財産)が大打撃を受けます。運が悪ければ全ての卵が割れてしまうかもしれません。そう、1つのバスケットに全ての財産を集中させることは、とてもリスクが高いと考えられるのです。

卵を2つのバスケットに5個ずつ分散して入れていたらどうでしょう。1つのバスケットが落ちて中の卵が全て割れてしまっても、別のバスケットに入っていた5個は無事です。卵を5つのバスケットに分散して入れていたらどうですか。2個ずつ分散して入れているわけですから、1つのバスケットが落ちて中の2個が割れてしまっても、残りの8個は無事です。

分散投資とは、「リスクをおさえるために自分の資産(卵)は色々な投資商品(バスケット)に分散させましょう」という考え方なのです。1つのバスケットに自分の財産を集中して投資するのではなく、色々なバスケットに分散させましょうということです。

分散投資ってどうやるの?分散投資の例2つ

資産は1つの投資商品に集中させず、分散させる。その方が、リスクを軽減することができる。これは、株にも同じことが言えます。

たとえば、100万円で買えるだけA株を買ったとします。この場合、A株が急激に値下がりして10万円になってしまったら、100万円が10万円になってしまいます。がっかりを通り越して放心です。しばらくA社という会社の名前を聞くだけで動悸息切れ眩暈を覚えることでしょう。

あるいは、A社が経営破綻して、株が価値ゼロになってしまったとしたらどうでしょう。ゼロです。ゼロ。100万円がすっかりかんです。1つの株に集中して投資するということは、こういったリスクも想定しておく必要があるということです。

A社の株がどれだけ良さそうに見えても、実際に経営状況がよくても、「投資の世界に絶対はあり得ない」のです。株への投資でも、1つの株に集中して投資することの危険性をわかっていただけたでしょうか。そこで分散投資の出番というわけです

しかし、分散投資をするといっても、具体的にどのような投資をすればいいのでしょう。分散投資はとにかく「1つに集中させないこと」なのですが、それって株だけに投資してはリスクが高いという意味なのでしょうか。

簡単に、分散投資の例を2つ見てみましょう。

①株だけでも分散投資!2つ以上の株へ資産を分散

「株」という投資法だけに、投資に使うことのできる資金を全てつぎ込んではNGというわけではありません。「株だけに投資したい」「投資信託や債券には投資したくない」という人でも分散投資は可能です。A株に投資に使うことのできるお金を集中させず、B株やC株も買って、色々な銘柄に分散すればいいのです。そうすれば、A株がいきなりゼロ円になっても、B株とC株が元気なのでセーフセーフ!という話です。

この場合、もしA株がゼロ円になっても、B株やC株が値上がりしていれば、値上がり分でA株の損失分をプラスマイナスゼロにできる可能性もあります。いざという時にリスクを軽減するだけでなく、株の損失をできるだけなくそうという場合にも、分散投資は有効な方法です。

②色々な運用に挑戦!株の他に債券や投資信託へ分散

株と一緒に投資信託や債券に投資するという方法もあります。株価が上下する株と、100万円貸したら100万円という債券。運用のバランスも取れている気がしますね。

投資信託はプロが色々な株や債券を見て、運用方針に合ったもので組み立てた金融界の定食メニューです。

株の比率が多い投資信託や、国内外の株で構成された投資信託などもあります。国内株は自分の好きな銘柄を買い、外国株は投資信託で持つ。株と株が含まれた投資信託を使った分散投資も可能です。

もちろん、株だけにこだわらず、投資信託、株、債券、不動産と全て別々に分散するのもアリです。

分散投資のさらなるメリットは投資に詳しくなること!

分散投資にはさらなるメリットがあります。それは、「資産運用全般に詳しくなる」というメリットです。

分散投資をするために、色々な金融商品や運用法を見ますよね。その中で自分が「いいな」と思った金融商品や運用法は、調べてしまいますよね。投資は自分自身の投資用資金を使うので、誰だって損はしたくありません。分散投資をするためにはさらに色々な株や、株以外の運用商品を比較してバスケットを決めることになるので、株以外の投資知識もどんどん増えます

資産運用の基礎である「分散投資」は、株をさらに楽しいものにしてくれますよ!