投資には色々な方法があります。株への投資は、方法のうちの1つに過ぎません。投資を考えて真っ先に「株かな」と思った方は、他の方法と比較してより自分に合ったお金の運用法方について考えてみてはいかがでしょう。
すでに株に投資すると決めている方は、他の投資や運用の方法と株の特徴を比較することで、株へ投資することの魅力を再発見することができます。株の魅力を再発見する意味で、「株」と「債券」のメリットとデメリットを比較してみましょう。
目次
株ってどんな投資方法?メリットとデメリット
株は会社の資金調達方法の1つです。会社は株を発行し、発行した株を投資家に買ってもらうことによって会社にお金を集めます。集めたお金は会社の新しい事業展開や商品開発に使われます。株に投資するということは、つまり「会社に投資すること」なのです。
しかし、メリットがなければ会社に投資しようとは思いませんよね。
中には熱烈な「A社のファンです!」という人もいて、そういった人が積極的にA社株に投資していることもあります。しかし、世の中のたいていの人は特定の会社の商品のファンという人はいても、会社自体を熱烈に愛しているケースは珍しいのではないでしょうか。
中には「A社?ドレッシングの会社?」みたいな感じで、ろくに会社にことを知らずに投資している人もいます。必ずしも会社の未来と発展を祈って投資しているわけではないということです。では、なぜ人は株に投資しようと考えるのでしょうか。それは、株に投資することでメリットが得られるからです。
株に投資することのメリットは?
- 株が値上がりしたら売却!譲渡益をゲットできる
- 株を所持することで配当金をゲットできる
- 株を所持することで株主優待をゲットできる
株に投資する人の多くは「譲渡益をがっつりゲットしてやるぜ」や「株主優待でお得」を期待して株に投資していると言えるでしょう。
株に投資することのデメリットは?
メリットだけゲットできるラッキーという投資方法はありません。投資方法にはそれぞれデメリットやリスクが存在しています。株のデメリットは有名です。デメリットが強調されて世間に広まっていることにより「株は博打」「株は怖い」という印象を持っている方は少なくありません。
「株」という言葉を出した瞬間、「無理無理無理無理!絶対損するから無理!」と拒否反応を示す人さえいます。株のデメリットは次の3つです。
- 株価が変動することにより損失を出すことがある
- 配当や株主優待がなくなることがある
- ちょっと儲かったと思っても手数料や税金でマイナスになることもある
株は元金保証ではありません。ニュースを見ているとわかるように、株価は常に変動します。株価が変動することにより、投資した額が大きく減ってしまうこともあります。
しかし逆に考えると、株価が動くことによって株のメリットである譲渡益が出るわけですから、メリットとデメリットは表裏一体関係で、株の魅力に直結しているわけです。
債券ってどんな投資方法?債券のメリットとデメリット
皆さんは「債券」という言葉からどんな方法を連想しますか。法律用語に「債権」という言葉があります。お金の貸し借りなどによる権利を意味する言葉です。「債券」という言葉の響きから、お金の貸し借りを連想しないでしょうか。
正解です。投資方法の1つである「債券」は、お金の貸し借りを利用した投資方法なのです。法律では「債権」ですが、投資や金融においては「債券」という言葉が使われます。なぜかというと、投資の債券では券(有価証券)が発行されていたからです。
債券への投資では、「お金を貸してください」と募集をかけている企業や自治体にお金を貸し付けます。債券も、企業が資金を調達する方法の1つです。この点は株と同じです。
債券のメリットは?
お金を貸すと、額に応じて利息を受け取ることができます。加えて、貸した額が変動することは基本的にありません。100万円貸し付ければ、償還日に100万円を返してもらうことができ、利息も受け取ることができるというわけです。貸した額をしっかり返してもらうことができるため、安定志向の投資方法として人気があります。個人向け国債や社債がこれにあたります。
債券のメリットは、次の2つです。
- 貸した金額を返してもらえる(100万円貸せば100万円)
- 貸した金額に応じて利息を払ってもらえる(利息による利益)
債券は基本的に貸した額をそのまま返してもらうことができるため、定期預金の代わりに使われることもあります。ただし、海外の国や団体へ貸した場合、100万円貸しても為替相場の変動により元金が目減りしてしまうことがあります。
債券のデメリットは?
次に債券のデメリットを見てみましょう。
- お金を貸した国や団体が財政破綻することによりお金が返ってこないリスク(デフォルトリスク)
- お金を貸した団体や国の財政状況が悪化すると利息すら支払われないことも・・
- 債券を途中換金すると元金が減る可能性
個人間のお金の貸し借りでも、相手の懐事情によってお金が返ってこないことがありますよね。国や団体にお金を貸すことも同じです。
格付け会社がそれぞれの会社や国の「お金を貸し付ける場合の安全度(格付け)」を公表しています。しかし、格付けが良くても、急な災害などにより会社や団体が大きな経済的損害を受けることがあるため、格付けが高評価だからといって絶対に大丈夫という保証はありません。
また、債券は、「〇年〇月〇日に返します」という約束を結んでお金を貸し付けます。つまり、借りた側の企業や団体にとって、〇年〇月〇日まではお金を返さなくていいということです。
貸した側の事情で償還日前に「お金を返して!」ということになると、解約手数料が発生したり、債券を売却したりしなければならないため、100万円貸したのに98万円に減ってしまったという事態になることがあります。
債券と株はどこが違うの?投資のポイント
株と債券は会社の資金調達方法として使われるという点では同じです。しかし、投資の面で見ると、違った面がたくさんあります。
債券は「お金を貸すこと」ですが、株は「会社の未来に投資すること」です。債券は決まった年月日に貸した額のお金が返ってきますが、株は会社側から投資した分のお金を返してもらうことはできません。株価の変動を見て、自分で売却することはできます。債券と株はどちらも資産運用の手段ですが、そもそもの性質が異なっています。
この他に、債券は貸し付けた金額に利息がつきますが、株は投資した額に特に利息はつきませんよね。反対に株は、株によって株主優待や配当金を受け取ることができますが、債券にはそんなサービスはありません。
債券は基本的に貸した額を返してもらうので、株のように積極的に売買による譲渡益を狙うことは少ない投資方法です(一応、償還日前に手放すこと自体はできます)。貸したら利息を受け取りながらお金を返してもらう日を待つ。これが基本です。
債券と株はそれぞれのメリットとデメリットを比較して、自分のお金の状況に合わせてどちらが合っているかを考えて投資することが重要です。自分は株に株主優待を求めているのか、それとも何か投資したくてとりあえず株を選んだのか、はっきりさせておくと、自分に合った投資法や株を見つけやすくなりますよ。